私はこれまで30名以下の中小企業から数万人規模の大企業まで、正社員として働いてきました。
会社によっても当然異なるという大前提はありますが、私は圧倒的に「大企業で働きたい派」の人間です。
元々は、「大企業の歯車にはなりたくない。自分らしくいたい。」というものすごく青臭い理由で、大学卒業は新卒でベンチャー企業に入りました。
当時の同僚の多くは今もベンチャー企業で働いていたり、自分でスタートアップを立ち上げたりしている人が大半で、私のように大企業へ転職している人間はごく僅かです。
そういう友人・同僚たちがまわりにいるからこそ、自分自身を見つめ直した時に、私自身はやはり大企業向きだなと思います。
私の中小企業から大企業に転職したキャリアパスを知っている友人から、中小企業から大企業に転職したいと相談を受けたり、中小企業から大企業に転職って実際どうなの?と質問を受けることがあります。
今回は、中小企業での勤務経験を持つ私から見た、大企業で働くメリットをあげていきたいと思います。
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目次
大企業で仕事をする最大のメリットは?
自分のやりたい仕事に集中できる
自分のやりたい仕事=コア業務に集中することができます。
人それぞの価値観によって大きく異なると思いますが、私は偽りない気持ちで、まずはこの点をあげたいと思います。
給料や安定が一番のメリットではないのか?と思う方がいるかもしれませんが、私にとってはこちらの方が重要です。
私自身周囲にスタートアップや中小企業で働いている人間も多いので、よく一緒にやらないかと誘われることが多いのですが、断る一番の理由がこれです。
とにかく中小企業だと、人数が少ないので自分のコア業務(私であればマーケティング)だけに集中することがなかなか難しい。
たとえば、場面によっては営業のように窓口業務を任されることもありますし、企画・製作の主導権を握って動くこともあります。
さらに細かいことで言えば、電話対応や見積作成などの諸業務に結構時間を取られたりするものです。
これは、仕事のおもしろさと表裏一体であり、役割が明確ではないからこそ、自分の職域を越えてチャレンジしやすい=やりがいがある、とも捉えられると思います。
私自身もそう思っている時期もありました。
ただ、キャリアを積み重ねていく中で、集中して物事を深く考えているときが一番楽しく、自分の強みを発揮できている感覚があることに気づきました。
ここが自分の勝負すべき領域だとという感覚を得た私は、もっと自分の領域に没頭したいと大企業に転職しました。
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私が選んで就職した大企業では分業制がかなり進んでいるので、自分のコア業務(マーケティング業務)に集中できる環境がありました。
中小企業のときは雑務に7割位の時間が使われていて、実際は3割くらいしか本来やりたいことをできていない感覚がありましたが、大企業に入社してその比率は逆転できたと思っています。
さらに、ここがポイントなのですが、中小企業で幅広い領域で動いてきた経験があるので、新卒で入社した人たちに比べて、全体視点を持って動けるという利点もあります。
そのため、営業や製作サイドの人間からは「周りのことが見えていて、領域に縛られないフットワークの軽いマーケ」と思ってもらいやすいです。
転職を繰り返していると、人生に無駄なものはないなと思います。
人間関係のストレスが少ない
転職理由の1位は人間関係のストレス
転職理由の1位はだいたいどこのランキングでも決まって、人間関係のストレスです。
それほど、人間関係のストレスは、仕事の満足度、ひいては人生の満足度に与える影響も大きいものです。
中小企業の場合だと、仮に「この人とは合わないな」と思っても、人数が少ないので人間関係をキープし続けなくてはならないことがあります。
その点、大企業の場合、むしろ知らない人の方が多く、異動も頻繁。
本当に合わなければ人事に相談すれば、異動することも比較的簡単です。
組織のパフォーマンスに与える影響へのプレッシャー
社員規模20名で会社で働いているときは、当たり前ですが一人ひとりの精神的負荷が全然違います。
自分が機能しないだけで、単純に考えると会社のパフォーマンスが5%もダウンするんです。
これが1万人だと、0.01%。
感覚的にも背負っているものの重さは比較になりません。
具体的な場面で言うと、退職したときの周囲への迷惑や、社長や経営陣への申し訳無さは圧倒的に違います。
休みを取るにも、ダイレクトに周囲のメンバーに迷惑がかかるので気を遣います。
大企業にしか勤めたことない人にはそもそも理解されにくい点ですが(そもそも自分と会社をそんな位置づけで考えていない)、中小企業で働いていた自分からすると、相当肩の荷がおりた感覚があります。
給与が高い=年収をアップできる
最後に、やはり給料の話もしておきましょう。
これも本当に会社次第ですが、私は給与水準を高く維持しやすい会社を狙って転職しました。
下調べすればこのような情報は比較的簡単に手に入ります。
中小・ベンチャー企業と大企業での給与面での違いを、ものすごく単純化したものが下記です。
・ハイリスク・ハイリターン
・大活躍し、経営陣に認められると大幅な昇進・昇給のチャンスあり
・業績を上げていかないと昇給が難しく、現状維持が多い
・中小企業で働くなら経営陣(役員)を目指さないと給与面で大企業を勝るのは難しい
・内部で昇給していくよりも、外部から高給で転職する方が簡単なことが多い
・退職金、企業年金などの福利厚生がほとんどない
・ローリスク・ミドルリターン
・仕事の出来不出来にかかわらず、徐々に昇給していくケースが多い
・多少の給与差はあるが、役員にならない限りさほど大きな給料差は生まれない
・退職金、企業年金などの福利厚生が手厚く、額面以上の年収価値がある
中小やベンチャー企業で働いていたことがある身として不思議というか面白いことは、大企業は何もしなくても給料が勝手に上がっていくんですよね。
中小企業で、成果によって給料が大きく変動する世界にいた身からすると、これは相当気が楽です。
年齢にもよりますが、正直中小企業で毎年、給料を上げるためにプレッシャーの中で成果を出し続けるのは、正直かなり疲れます。
今はかなり自分のペースで仕事をさせてもらいながら、それなりの給料をもらえているので満足度は高いです。
大企業の子会社への転職について
大企業の子会社に転職するのはどう思いますか?という質問を受けることがあります。
大企業に転職したいけど難しい。
大企業の子会社なら福利厚生も充実していそうだし、就職難易度も低いから狙い目ではないかという考えのようです。
基本的には私は大企業の子会社転職はおすすめしていません。
大企業の子会社は、よほどの覚悟と役員待遇など破格の条件でない限りおすすめできません。
詳細はこちらの記事に書いていますので、興味があればご覧ください。
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自分の専門性を高めたいなら大企業転職がおすすめです
最後には給与面に触れましたが、実際問題一番自分自身がメリットに感じているのは、最初にあげた「自分のコア業務」に集中できることです。
これは人それぞれ違いますし、年齢やキャリアのステージによっても変わると思います。
私自身最初は、いろいろなことをできる中小企業に勤めていてよかったなと今では思っています。
おそらく、最初から今の企業にいたら、今よりパフォーマンスをあげることは確実にできていないでしょう。
(おわり)